若い頃に入った終身保険、年金生活で見直して保険料負担を年間8万円減らした体験談
年金生活で気になる「保険料の負担」
退職されて年金での生活が始まると、どうしても毎月の支出が気になるものです。食費や光熱費、趣味の費用など、様々な項目がありますが、意外と大きな割合を占めるのが保険料ではないでしょうか。特に、若い頃に加入した保険をそのままにしている場合、現在のライフスタイルに合わない保障内容になっていたり、保険料負担が重くのしかかっていたりすることがあります。
私も、退職後に家計を見直した際に、加入から何十年も経つ終身保険の保険料が気になり始めました。現役時代は特に気にしていませんでしたが、年金生活になり収入が減ると、月々数万円の保険料が大きな負担に感じられたのです。
若い頃の保険、そのままにしていませんか？
私が加入していたのは、20代の頃に勧められるがままに入った終身保険です。当時は結婚して子どもも小さく、「万が一」のときに家族に迷惑をかけたくないという思いで、大きな死亡保障のある終身保険を選びました。毎月の保険料は、当時の給料から見れば無理のない範囲でしたし、「一生涯保障が続く安心」に魅力を感じていました。
しかし、月日が流れ、子どもたちは独立し、夫婦二人暮らしになった今、果たして当時と同じ死亡保障が必要なのだろうかという疑問が湧いてきたのです。確かに、葬儀費用などの最低限の備えは必要かもしれませんが、残された家族に高額な生活費を残す必要性は薄れてきました。
一方で、終身保険には「解約返戻金」という積立のような性質があり、「今解約するのはもったいないのでは」という気持ちもありました。かといって、このまま重い保険料を払い続けるのも家計には厳しい。どのように見直せば良いのか分からず、悩んでいました。
年金生活での終身保険の見直し方
私のように、年金生活に入ってから終身保険の見直しを考える方は少なくないようです。終身保険は、契約時に定めた保険料を一生涯払い込み、死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われる保険です。契約から年数が経つと、解約したときに受け取れる解約返戻金が増えていくという特徴があります。
年金生活において、終身保険を見直す際の主な選択肢はいくつかあります。
1. 解約する
保険契約を完全にやめる方法です。解約した時点で保障はなくなりますが、それまで積み立てた解約返戻金を受け取ることができます。保険料の支払いは当然なくなりますので、家計の負担は大幅に軽減されます。ただし、解約返戻金の額は、それまでに払い込んだ保険料の総額を下回ることもあります。特に加入期間が短い場合や、貯蓄性が低いタイプの場合です。
2. 払済保険に変更する
今までの契約をベースに、以後の保険料の払い込みをストップし、保障額を減らして終身保険（または定期保険）に変更する方法です。保険料の負担はなくなりますが、元の契約よりも死亡保障額は少なくなります。保障は一生涯続きますので、最低限の葬儀費用などを残したい場合には有効な選択肢です。
3. 減額する
契約している保障の一部を解約する方法です。例えば、死亡保障を半分に減らすといった形です。保障額が減る代わりに、以後の保険料負担も減らすことができます。必要な保障は残しつつ、保険料を抑えたい場合に検討できます。減額した部分については解約返戻金を受け取れる場合もあります。
どの方法が適しているかは、現在の健康状態、貯蓄状況、家族構成、老後資金計画などによって異なります。
私が年間8万円の保険料を削減した方法
私は、保険会社に電話して相談窓口に問い合わせてみました。現在の契約内容を確認してもらいながら、年金生活で保険料負担を軽減したいこと、しかし最低限の備えは残したいと考えていることを伝えました。
担当者の方は、私の話を丁寧に聞いてくださり、現在の解約返戻金の見込み額や、払済保険に変更した場合の保障額、減額した場合の保険料などを詳しく説明してくれました。専門用語も分かりやすく言い換えて説明してくれたので、理解しやすかったです。
いくつかの選択肢を検討した結果、私は「払済終身保険」に変更することを選びました。
その理由は、以下の点でした。
- 死亡保障の必要性は減ったが、ゼロにするのは不安だったから（払済にすることで、元の契約よりは減るものの、まとまった死亡保障を残せたため）。
- これ以上保険料を払い続けるのは負担だったが、解約して手元にまとまったお金（解約返戻金）があっても、それを無計画に使ってしまうのが心配だったから（払済にすれば、保険料負担はゼロになり、将来の保障は確保できるため）。
- 手続きが比較的簡単だったから。
払済保険への変更手続きは、保険会社から送られてきた書類に必要事項を記入して返送するだけで済みました。難しい手続きではありませんでした。
この見直しにより、私の終身保険の保険料は、年間で約8万円の削減となりました。月々約6,700円の負担がなくなったことは、年金生活の家計にとって非常に助かっています。保障額は減りましたが、現在の私にとって必要十分な備えは残せたので、安心感もあります。
まとめ：あなたの終身保険も見直してみませんか？
もしあなたが、私と同じように年金生活で保険料負担が気になっている、特に若い頃に加入した終身保険をそのままにしているという場合、一度立ち止まって見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
今のあなたにとって、その終身保険の死亡保障は本当に必要でしょうか。保険料負担は家計にとって無理のない範囲でしょうか。
保険会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、あなたの状況に合った最適な見直し方法が見つかるかもしれません。解約、払済、減額など、様々な選択肢があります。
面倒だと感じるかもしれませんが、一度見直すことで、年間数万円、数十万円といった保険料を節約できる可能性があります。その削減できた分を、趣味や旅行、あるいは将来の医療費や介護費の備えに回すことも考えられます。
ぜひ一度、あなたの保険証券を確認し、保険会社などに相談してみることをお勧めします。私もできた保険の見直し、きっとあなたにもできるはずです。