年間〇万円削減！私の保険見直し術

年金生活で死亡保険料が負担に？「いくら必要か」を計算して年間8万円削減できた体験談

Tags: 死亡保険, 保険見直し, 年金生活, 保険料節約, 老後

年金生活。高まる死亡保険料にどう向き合うか

退職されて年金生活に入り、日々の生活費をやりくりされている方も多いかと存じます。若い頃と比べて収入が減る中で、毎月あるいは毎年支払う保険料は、家計にとって決して小さな負担ではありません。

特に死亡保険は、「万が一」の際に残される家族のためにと、若い頃から加入されている方が多いかもしれません。しかし、年齢を重ねるにつれて保険料は上昇していくのが一般的です。一方で、お子様が独立されたり、ご夫婦お二人での生活になったりと、ご家族の状況は変化していることでしょう。

「このまま高い保険料を払い続ける必要があるのだろうか？」「そもそも、今、死亡保険はどのくらい必要なのだろうか？」

そうお考えの方もいらっしゃるかと思います。私自身も、退職後に収入が年金だけになり、若い頃に加入した死亡保険の保険料が重くのしかかるのを感じていました。漠然と「家族のために必要」と思っていましたが、具体的な金額については考えたことがありませんでした。

そこで今回は、私がどのようにして死亡保険を見直し、「本当に必要な金額はいくらなのか」を具体的に計算することで、年間約8万円もの保険料を削減できた体験談をご紹介いたします。複雑な手続きや難しい知識は一切不要でした。自分にとって必要な保障だけを残すことで、家計の負担を減らしつつ、安心も手に入れることができたのです。

私が死亡保険を見直そうと思ったきっかけ

私が死亡保険を見直そうと思ったのは、退職して初めて、家計全体の収支を真剣に見直した時でした。現役時代はあまり気にしていなかった保険料が、年金収入だけになると、その大きさを改めて実感したのです。

私が加入していた死亡保険は、私が若い頃、子どもがまだ小さかった時に加入したもので、もしものことがあった場合に家族が困らないようにと、大きな保険金額を設定していました。しかし、子どもたちはすでに独立し、経済的にも自立しています。残されるのは妻だけです。

妻も自分の年金がありますし、私たちにはそれなりの貯蓄もあります。「ひょっとして、こんなに大きな死亡保険金は、今の私たちには必要ないのではないか？」という疑問が頭をよぎりました。

また、インターネットや書籍で老後の暮らしや家計について調べているうちに、高齢になってからの死亡保障の考え方が、若い頃とは変わってくるという情報に触れました。「必要保障額」という言葉を知り、自分の状況に合わせて必要な保障額を計算できることを知ったのです。

そこで私は、「今の自分たちにとって、本当に必要な死亡保険金はいくらなのか」を具体的に計算し、保険を見直してみることにしました。

「必要な死亡保険金」を具体的に計算してみる

では、どのようにして「必要な死亡保険金」を計算すれば良いのでしょうか。これは決して難しいことではありません。簡単に言うと、「もしものことがあったときに必要になるであろうお金」から、「残された家族が受け取れる公的なお金や貯蓄など」を差し引いて考えるのです。

私が計算する上で考慮したのは、主に以下の点でした。

  1. もしもの時に必要になるお金

    • お葬式にかかる費用: 葬儀の規模や形式によって大きく異なりますが、一般的な相場を調べました。最近は家族葬など、費用を抑えた形式を選ぶ方も多いようです。
    • 配偶者の当面の生活費: 残された配偶者が、公的な年金や自身の貯蓄だけでは生活費が不足する場合に、どれくらいの金額が必要になりそうかを考えました。我が家の場合は、妻にも年金があるため、私が亡くなったことで収入がゼロになるわけではありません。遺族年金についても調べ、不足する可能性がある期間や金額を想定しました。

  2. 残された家族が受け取れるお金

    • 遺族年金: 国民年金や厚生年金に加入していた場合、残された配偶者が受け取れる可能性があります。いくら受け取れるかは、亡くなった方の加入期間や、残された配偶者の状況によって異なります。年金事務所に相談したり、ねんきんダイヤルで確認したりすることができます。
    • 貯蓄や退職金: ご自身や配偶者の貯蓄、退職金など、すぐに使える金融資産があれば、これも計算に入れます。
    • 加入している他の保険: 死亡保険以外の保険（例：傷害保険など）で、死亡給付金が出るものがあればそれも考慮します。

具体的な計算と見直し

私の場合は、まず、現在加入している死亡保険の保険金額が3,000万円でした。子どもが小さかった頃に設定した金額です。

次に、上記で考えた「もしもの時に必要になるお金」と「残された家族が受け取れるお金」を計算してみました。

これらの計算の結果、我が家の場合、もしもの時に必要になりそうな金額は1,200万円程度であり、遺族年金と貯蓄である程度の部分はカバーできることが分かりました。つまり、死亡保険で備えるべき金額は、現在加入している3,000万円よりもかなり少なくても大丈夫そうだ、という結論に至ったのです。

私は保険会社に連絡し、加入している死亡保険の保険金額を、現在の状況に合わせて1,000万円に減額できないか相談しました。保険会社からは、減額手続きについて丁寧な説明がありました。必要な書類を提出し、手続きを行うことで、無事に保険金額を1,000万円に変更することができたのです。

見直しの結果、年間8万円の保険料を削減

保険金額を3,000万円から1,000万円に減額した結果、保険料は大きく下がりました。具体的な金額を計算してみると、年間で約8万円もの保険料を削減することができたのです。

この8万円は、年金生活の私たちにとって、非常に大きな金額です。削減できた保険料は、旅行に行ったり、趣味に使ったり、あるいは将来の医療費として貯蓄に回したりと、より有意義に活用できるようになりました。

もちろん、必要な死亡保障は人それぞれ異なります。ご家族構成、貯蓄額、配偶者の収入状況、考えている葬儀の形式などによって、必要な金額は変わってきます。重要なのは、「漠然と必要だろう」と考えるのではなく、「具体的にいくら必要なのか」を計算してみることです。

まとめ：老後の死亡保険見直しは「必要額の計算」から

私の体験からお伝えしたいのは、年金生活における死亡保険の見直しは、まず「今の自分にとって、本当に必要な死亡保険金はいくらなのか」を具体的に計算することから始めるのが良い、ということです。

若い頃に加入した保険は、その当時の状況に合わせて設計されています。しかし、ライフスタイルや家族構成は変化します。特に退職後の年金生活では、収入も変わり、保険にかけられるお金も限られてきます。

必要保障額の計算は、少し手間がかかるように思えるかもしれませんが、一度計算してみると、自分の保険が今の状況に合っているのかどうかが明確になります。過剰な保障があれば、保険金額の減額や、場合によっては払済保険への変更などを検討することで、保険料の負担を大きく減らすことができる可能性があります。

もし、ご自身での計算や手続きが難しいと感じる場合は、保険会社の窓口や、信頼できるファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良い方法です。専門家は、ご自身の状況に合わせて、必要な保障額の計算や見直し方法についてアドバイスしてくれます。

年金生活での保険見直しは、家計の負担を減らすだけでなく、今の自分たちに必要な保障を明確にすることで、安心して老後を過ごすための一歩にもなります。まずはご自身の死亡保険証券を確認し、「いくら必要か」を考えることから始めてみてはいかがでしょうか。