公的介護保険を知って民間の介護保険を見直し!年間5万円を節約できた私の体験談
年金生活に入り、収入が限られる中で家計のやりくりに頭を悩ませていました。特に負担に感じていたのが保険料です。若い頃から漠然とした老後の不安に備え、さまざまな保険に加入してきましたが、その中には民間の介護保険もありました。
将来、もし介護が必要になったら…そう考えると、手厚い備えをしておきたい気持ちがありました。しかし、毎月支払う保険料は安くありません。このまま払い続けるのは難しい、でも保障をなくすのは怖い、という葛藤を抱えていたのです。
公的介護保険サービスの存在を知り、見直しのきっかけに
そんな時、たまたま地域の広報誌で「公的介護保険サービス」についての記事を目にしました。名前は知っていましたが、具体的にどのようなサービスが、どのくらいの費用で受けられるのか、実はよく分かっていませんでした。
記事を読んで、国や自治体が提供する介護サービスがあること、そして多くの費用は税金や社会保険料でまかなわれ、利用者の自己負担は原則1割(所得に応じて上限あり)であることを知りました。
「もしかしたら、私が民間の介護保険で備えようとしていることの大部分は、公的な制度でカバーされるのではないか?」
そう思ったことが、真剣に保険を見直す大きなきっかけとなりました。
加入中の民間介護保険と公的制度を比較検討
さっそく、自宅にある保険証券を引っ張り出し、加入している民間の介護保険の内容を確認しました。どのような状態になったら、いくら保険金が受け取れるのか、どのような保障があるのかを一つずつ読み解いていきました。保険証券を見るのは苦手でしたが、「保険会社の定める要介護状態になったら一時金〇万円、その後は年金形式で〇万円」といった具合に、冷静に保障内容を把握することに努めました。
次に、公的介護保険サービスについて、もう少し詳しく調べました。インターネットで情報を集めたり、地域の包括支援センターに問い合わせて資料をもらったりしました。そこから、自宅での訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなど、多様なサービスがあること、そして要介護認定のレベルによって受けられるサービス量や費用が変わることを理解しました。
そして、公的介護保険でまかなえる部分と、民間の保険で備えておきたい部分を整理してみました。
- 公的介護保険でカバーされる可能性が高い費用: 介護サービスそのものの費用の大半(自己負担1割〜3割)。
- 民間の保険で備えたい可能性のある費用:
- 公的サービスの自己負担分
- 公的サービスでカバーされない、個人的なニーズに基づくサービス費用
- 自宅のバリアフリー改修費用
- 介護施設に入居する場合の費用(特に差額ベッド代や食費など)
- 家族の介護による収入減など、間接的な費用
不要な保障を整理し、年間5万円の保険料を削減
この整理を通じて、私の加入している民間の介護保険は、公的介護保険で十分にカバーされる部分まで手厚く備えようとしていたことが分かりました。特に、一時金や年金形式の保障額が、公的サービスの自己負担分を大きく上回っており、少し過剰な備えになっていると感じました。
そこで、保険会社に連絡し、加入している介護保険の保障内容を見直したい旨を伝えました。担当の方に相談しながら、公的介護保険でカバーされる部分を考慮し、民間の保険では自己負担分やその他の費用に充てられる程度の保障額に減額することを決めました。
また、付加していた特約の中にも、現在の私の状況や公的制度で十分と感じられるものがあり、それらを解約しました。
手続きは書類の記入など多少の手間はかかりましたが、電話での問い合わせや郵送でのやり取りで済み、複雑な操作は必要ありませんでした。
この見直しによって、最終的に年間で約5万円もの保険料を削減することができたのです。
見直し後の安心と家計へのゆとり
年間5万円の削減は、年金生活を送る私にとって大変大きな金額です。浮いた保険料は、趣味に使ったり、万が一の医療費のために貯蓄に回したりと、有効に活用できるようになりました。
また、公的介護保険についてきちんと理解できたことも、大きな安心感につながっています。「もし介護が必要になっても、まずは公的なサービスを利用できる。その上で不足する部分を民間の保険で補う」という明確な方針ができたからです。漠然とした不安に、具体的な対策ができた感覚です。
今回の経験から学んだのは、保険は「入りっぱなし」にせず、その時々の自分の状況や、利用できる公的な制度に合わせて定期的に見直すことの重要性です。特に年金生活に入り収入が変化した方や、医療・介護への備えを考えている方は、一度ご自身の保険と公的な制度について調べてみることをお勧めします。
保険証券を確認すること、そして公的介護保険について情報を集めることから始めてみてはいかがでしょうか。難しく考える必要はありません。一歩踏み出すことで、家計にゆとりが生まれ、将来への安心も得られるかもしれません。