年金生活に合わせた医療保険の見直し！重複を解消して年間8万円を削減した私の体験談
年金生活で重くのしかかる保険料、特に複数加入していた医療保険
年金生活が始まり、収入が以前より少なくなると、毎月の支出の中でも特に固定費が気になるようになります。我が家でも、食費や光熱費などを見直す中で、改めて保険料の金額を見て、その負担の大きさを実感いたしました。
若い頃から勤めていた会社の勧めや知人の紹介などで、気がつけばいくつもの保険に入っていました。特に医療保険や、〇〇保険という名前の特定疾病に備える保険などが複数あり、毎月合計するとかなりの金額になっていたのです。
老後の医療費には備えておきたいという思いは強くありましたが、正直なところ、それぞれの保険が具体的にどんな保障内容なのか、全てを把握しきれていませんでした。このまま払い続けていて良いものか、でも保障を減らしすぎるのも不安だと、一人で悩む日々でした。特に、複数の医療保険に入っていることで、保障が重複しているのではないか、という疑問が頭をよぎるようになりました。
保険証券を整理して「見える化」することから始まった見直し
この疑問を解消するため、まずは加入している全ての保険証券を集めてみることにしました。タンスの奥や引き出しの中など、あちこちにしまってあった証券を一つにまとめ、内容を確認していきました。
正直、保険証券を見るのは苦手でしたし、専門用語が多くて分かりにくい部分もたくさんありました。しかし、「入院給付金は一日いくらもらえるのか」「手術したらいくら出るのか」「この保険はいつまで続くのか（保険期間）」「あと何年払い続けるのか（払込期間）」といった、基本的な項目だけでも書き出してみることにしました。
すると、驚いたことに、複数の医療保険で似たような保障がついていたり、同じ病気に対する給付金が二重になっていたりすることが分かったのです。例えば、一方の医療保険で入院一日あたり5千円、もう一方でも同じく5千円の給付金が出る契約になっていた場合、もし入院しても、両方の保険から合計1万円が給付されるわけではありません。多くの医療保険では、たとえ複数加入していても、受け取れる給付金の総額には上限があったり、請求の手続きが煩雑になったりする場合があります。つまり、保険料だけを二重三重に払っている状態になっていた可能性が高いのです。
老後の医療費という「一つの目的」に絞って考える
複数の保険に入っている状態を「見える化」したことで、「自分は老後の医療費にいくら備えたいのか」という「目的」を改めて考えるきっかけになりました。
公的な医療保険制度として「高額療養費制度」があることを、テレビや新聞で見たことがありました。これは、ひと月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、その超えた分の払い戻しを受けられる制度です。年収などによって自己負担の限度額は異なりますが、例えば一定以上の収入がない方の場合は、ひと月の自己負担の上限が比較的抑えられています。つまり、万が一病気になって高額な医療費がかかっても、全額を自分で負担するわけではない、ということが分かったのです。
この公的保障の仕組みを理解すると、それまで加入していた複数の医療保険で備えようとしていた金額が、本当に必要な額よりも過剰ではないか、と感じるようになりました。老後の医療費への備えという目的は変わりませんが、必要以上の保険に入り続けるのはもったいない、と思い至ったのです。
専門家への相談で不要な重複を解消し、年間8万円を削減
自分一人で判断するのは難しかったため、保険の専門家に相談してみることにしました。これまでの保険加入状況や、年金生活になった現在の収入、そして今後の生活で医療費にどれくらい備えたいかといった希望を伝えました。
専門家の方は、私の保険証券を一つずつ丁寧に確認してくださり、どの保障が重複しているのか、どの保険が必要かそうでないか、分かりやすく説明してくださいました。複数の保険を整理し、一つのシンプルな医療保険にまとめることで、必要な保障は残しつつ、保険料を大きく削減できることが分かったのです。
解約する際の注意点（解約返戻金の有無や金額、今後の健康状態によっては新しい保険に入りにくくなる可能性など）についても説明を受け、納得した上で見直しを進めました。
最終的に、複数加入していた医療保険やそれに類する保険を整理し、老後の医療費備えとして最も適していると思われる一つの医療保険に絞る決断をいたしました。その結果、年間で約8万円もの保険料を削減することができたのです。
見直しを終えて感じること
今回の保険見直しを通じて、家計の負担が軽くなったことはもちろんですが、それ以上に、自分が加入している保険の内容をきちんと把握できたこと、そして老後の医療費に対する漠然とした不安が減ったことにも大きな意味があったと感じています。
複数の保険に入っていると、「念のため」「安心だから」とそのままにしてしまいがちですが、内容を整理してみると、実は重複があったり、今の自分には必要なくなっている保障があったりすることが少なくありません。特に年金生活に入り、収入が変化した方にとって、保険の見直しは家計改善の大きな一歩となる可能性があります。
保険証券を全て集めて確認するのは少し手間がかかるかもしれませんが、まずはそこから始めてみることをお勧めいたします。もし内容がよく分からなければ、専門家の方に相談してみるのも良い方法だと思います。一つずつ丁寧に進めれば、きっとあなたに合った、無理のない保険の形が見つかるはずです。